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【コラム】ワニは片目を瞑って眠る?ワニからみる睡眠

目次

    ワニはどんなふうに眠っているのか、考えたことはありますか?

    鋭い歯と力強い体を持つ彼らですが、近年の研究から「片目を開けたまま休む」という意外な姿が見えてきました。動物園や水辺で見かけるワニも、実は静かな時間を必要としている生き物です。今回はワニの眠り方を入り口に、生き物の睡眠の不思議をのぞいてみましょう。

    ワニは「半分だけ」眠っている?

    片目を開けたまま休むふしぎ

    オーストラリアとドイツの研究チームは、若いイリエワニ三頭を一日中カメラで観察し、一秒ごとに目の状態を記録しました。その結果、両目を閉じている時間がもっとも長く(とくに夜)、次に両目を開けている時間、そして片目だけを開けている時間という順番でした。片目を開けて休む姿は、とくに日中によく見られたそうです。じっとしていても、すべての感覚を切ってしまうわけではないのです。

    仲間と人への反応

    近くに別のワニがいるときは、開いている方の目を相手にしっかりと向ける傾向がありました。さらに人が近づくと、片目を開けて休む時間が大きくのび、その目はずっと人の方を見ていたのです。人がその場を離れた後もしばらく同じ向きを見続けることがあり、簡単には警戒を解かない様子もうかがえました。眠りたい気持ちと、まわりが気になる気持ちのあいだで揺れている姿が伝わってきます。

    ワニから学ぶ睡眠のヒント

    危険があるときは「半分眠り」

    研究では脳の働きを直接は調べていないため、本当に脳の片側だけが休んでいると言い切ることはできません。ただ、鳥や海の生き物にも似た行動が知られており、安全なときは深く、危険があるときは警戒を残しながら部分的に眠るという仕組みは、多くの動物に共通する可能性があります。眠り方そのものが、環境への適応として進化してきたと考えられているのです。

    わたしたちの夜にも通じる話

    人間も、落ち着かない場所では眠りが浅くなりやすい生き物です。ワニの観察は、眠りの深さが「環境の安全さ」と深く結びついていることを思い出させてくれます。寝る前に部屋を暗くする、スマホを手放して別の部屋に置く、騒がしい音を遠ざける。そんな小さな工夫が、脳に「もう安心していい」と伝える合図になり、ぐっすりと眠るための土台をつくってくれるのかもしれません。