睡眠の質を上げることにおいて、朝に強い光を浴びることがとても大切になります。
この場合の睡眠の質とは、「スムーズに入眠できる」ことや、「日中のパフォーマンスを上げる睡眠がとれる」ことを指します。
今回はなぜ朝に強い光を浴びる事が重要なのか解説していきます!
光を浴びることは体内時計のリセットになる
ヒトには「体内時計」と呼ばれる感覚的に時間を刻む機能が備わっています。
時計を見ずともだいたいの時間がわかるのは、この体内時計が作用しているからです。
体内時計は24時間より少し長い
実はこのヒトに備わっている体内時計は、24時間より少し長い時間(24時間10分~25時間程度)で設定されています。1日は24時間しかないので、毎日体内時計を合わせる必要があります。この体内時計を合わせる方法が”光を浴びる”ことです。
つまるところ、光を浴びずに1日を過ごすと体内時計と実際の時間がずれてしまい、どんどん眠る時間が遅くなり、起きる時間も併せて遅くなり、昼夜逆転してしまうということです。
親時計と子時計
この体内時計には親時計と子時計があり、子時計とは各臓器に備わっていて、食事などを通して時計の調整をしています。しかし、最も重要なのは親時計であり、この親時計は脳内の視交叉上核と呼ばれる部位に存在し、網膜から光がこの視交叉上核に届くことで親時計を調整する働きがあります。
睡眠ホルモンの分泌を抑える
光を浴びることは、体内時計の調整に加えて、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を抑制することに繋がります。
朝起きたての時はメラトニンがまだ出ている状態なので、朝に光を浴びる事はスッキリと起きるためにも必要な行動です。また、メラトニンの分泌を抑制するだけでなく、その睡眠ホルモンの原料となる、日中を活動的にする神経伝達物質「セロトニン」の合成にも光は役立ちます。つまり光を浴びる事は、日中の活動を上げ、メラトニンの原料となるセロトニンを合成するので、良い睡眠習慣を作るにはとても大切なポイントになります。
夜には光を浴びないように気を付ける
逆をいえば、夜に強い光を浴びてしまうとメラトニンの分泌が抑制されてしまいます。夜の場合、強い光でなくとも、ある程度の光の量でメラトニンの分泌が抑制されてしまいますので、注意をしましょう。
実際にどれくらいの光の強さが必要か
以下を参照してください。
晴天の野外 | 100,000LUX |
雨天の野外 | 5,000LUX |
体内時計の調整に 必要な照度 | 2,500LUX |
コンビニ・スーパー | 1,500LUX |
一般的なオフィス | 500LUX |
夜間のメラトニンの分泌を 抑制してしまう照度 | 300LUX |
月明かりの野外 | 0.2LUX |
体内時計の調整には、コンビニなどの明るい環境でも光の量は足りないので、太陽の光を浴びるようにしましょう。実は雨天時の野外の光は、一般的な家庭の照明よりも何倍も明るいとされています。
また、夜のメラトニンの分泌を抑制しないためには、部屋の明かりでも抑制させてしまう可能性がありますので、間接照明などを有効活用し、夜間は部屋をなるべく暗く保ちましょう。
まとめ
・朝には体内時計の調整と、メラトニンの分泌を抑制するために光を浴びることが大切。
・夜間には光が眠りを妨げてしまうので、強い光を取り入れないように注意する。